こんな悩みを解決できる記事を書きました。
ブラック企業に入社したくないと考えていても、『気づけばブラック企業に入社していた…』なんてことは結構あります。
というのも、ブラック企業の見分け方を知らない就活生が意外と多いからです。
そこで、今回は、新卒の採用担当を4年してきた私が「ブラック企業の見分け方20選」を紹介します。
ぜひ、『ブラック企業に引っかかりたくない!』という方は、参考にしてみてください。
ブラック企業とは?
本記事では、まず始めに『ブラック企業とはどういった企業なのか?』について紹介します。
実は、厚生労働省がブラック企業の特徴を公表していたりするので押さえておきましょう。
①ブラック企業の特徴とは?
ブラック企業の特徴
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 企業全体のコンプライアンス意識が低い
- 上記のような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
上記3つは、厚生労働省が実際に公表している内容です。
ブラック企業を定義しているわけではないですが、一つの指標になっています。
ちなみに、厚生労働省は、「法令違反した企業をまとめたリスト」も公表しています。
志望企業がこういったリストに記載がないかは注意深く確認しておきましょう。
②ブラック企業とホワイト企業の違い
続けて、ブラック企業とホワイト企業の違いも簡単に紹介しておきますね。
違いのポイント | ブラック企業 | ホワイト企業 |
労働時間 | 長い(所定労働:8時間以上) | 短い(所定労働:7.5時間以内) |
残業時間 | 多い(45時間以上) | 少ない(20時間以内) |
休日日数 | 少ない(110日以下) | 多い(125日以上) |
福利厚生 | 法定福利のみ | 自社だけの福利厚生あり |
離職率 | 高い(20%以上) | 低い(10%以下) |
もう少し細かく分けることもできますが、大枠は上表のとおりです。
労働・残業時間はもちろん、福利厚生や離職率も大きな違いとして比較されます。
なお、もっと簡単にブラック企業とホワイト企業の違いをまとめてみました。
ホワイト・ブラック企業の違い
- ブラック企業は「従業員」よりも「利益重視」
- ホワイト企業は「従業員」の健康や福祉に配慮している
ブラック企業は、目線が「従業員」ではなく「自社の利益」にフォーカスされています。
この辺りは、ブラック企業かホワイト企業を見極める一つの知識として持っておきましょう。
求人票からブラック企業を見分ける方法【5選】
前置きが長くなりすみません。
ここからは、「求人票からブラック企業を見極める方法」を紹介していきます。
求人票からブラック企業を見分ける方法
見分け方①:事業内容が抽象的に書かれていないか
上表のとおりでして、まずは「事業内容が抽象的に書かれていないか」確認しましょう。
例えば、「コンサル営業」みたいな書き方だけをしている求人には注意です。
何のコンサル営業をしているのかわからず、仕事のイメージも掴みきれません。
こういった企業は、「コンサル」という学生が魅力に感じる単語を並べているだけだったりします。
見分け方②:過去3年間の離職率が高くないか
続けて、「過去3年間の離職率」もかならずチェックしておきましょう。
厚生労働省が2022年に発表した「平均離職率は15%」あたりが基準になってくると思います。
ちなみに、過去3年間の離職率を確認するというのが今回のポイントです!
あまりにも古いデータを見ても参考にならず、単年だけのデータもあてになりません。
最低でも過去3年、マイナビやリクナビ・企業の求人票経由でチェックしておきましょう。
ポイント
求人票やマイナビ・リクナビに載っていない場合は「説明会」や「就職四季報」で確認しましょう!
見分け方③:過去3年間に大量採用していないか
「過去3年間に大量採用していないか」もブラック企業か見分けるうえで大切です。
もちろん、急成長している企業の場合、大量採用も十分に考えられます。
ただ、業績と採用数が比例していない場合は注意が必要です。
一気に社員が辞めた可能性も高く、労働環境の悪化が考えられます。
見分け方④:年間休日105日以下ではないか
続けて、「年間休日が105日以下でないか」もチェックしておきましょう。
年間休日 | 目安 |
125日以上 | 土日祝日+夏季休暇+年末年始がある |
120日 | 土日休み+祝日 |
110日 | 土日休みのみ(祝日は出勤) |
105日 | 労働基準法の最低ライン |
105日未満 | ブラック企業の中でも極めて悪質 |
上表のとおり、年間休日105日は「労働基準法の最低ライン」です。
年間休日105日は「毎週1日だけの休み」であり、決して良い労働環境とは言えません。
昨今、働き方改革と言われる時代、105日以下の企業は受けないことをおすすめします。
見分け方⑤:みなし残業代の有無をチェック
上記のとおりでして、「みなし残業代」の有無もかならずチェックしておきましょう。
月給30万円と書きながら、「みなし残業30時間含む!」みたいな企業は多かったりします。
ちなみに、産業別の「平均残業時間」は下表のとおりです。
産業 | 残業代の平均 | |
電気・ガス業 | 5万18円 | 14.2時間 |
運輸業、郵便業 | 4万4,988円 | 22.6時間 |
製造業 | 2万9,926円 | 13.6時間 |
建設業 | 2万4,296円 | 13.9時間 |
金融業、保険業 | 2万6,342円 | 12.8時間 |
医療、福祉 | 1万4,161円 | 5.0時間 |
その他のサービス業 | 1万8,750円 | 10.6時間 |
全体的な平均 | 1万9,054円 | 10.0時間 |
こちらは、厚生労働省の「毎月勤労統計調査 2023年7月分」をまとめた表となります。
全体的な平均が「1万9,054円/10時間」なので…
みなし残業30時間=5万7,000円くらいは給与に含まれているはずです。
仮に月給30万円の場合、実際の月給は24万円前後と考えることができます。
ポイント
みなし残業の企業を受けるか悩んだときは、平均残業時間もかならずチェックしておきましょう!
説明会でブラック企業か見分ける方法【5選】
では続けて、「説明会でブラック企業か見極める方法」を紹介していきます。
現場に近い視点でブラック企業か見極められるチャンスなので、かならず押さえておきましょう、
説明会でブラック企業を見分ける方法
見分け方①:社長が説明会を実施
上記のとおりでして、「社長が説明会」をおこなっている場合は注意が必要です。
現場の人間に自社の悪い部分を話されるのを避けているケースが考えられます。
もちろん、ベンチャー企業や中小企業では、社長が登壇することもあるかもしれません。
ただ、企業規模がそれなりに大きい場合には、注意深く見るようにしましょう。
見分け方②:社員の覇気がない
続けて、「社員の覇気がないか」確認するようにしましょう。
社員の士気=会社の状態を表してるので確認必須となります。
なお、できれば説明会だけでなく、座談会やOB・OG訪問でも確認しておきましょう。
見分け方③:数字面の説明がまったくない
上記のとおりでして、「数字面の説明がない」場合も注意が必要です。
基本、説明会では業績や給与・平均残業時間などの共有があります。
しかし、ブラック企業の場合、社風・福利厚生ばかりを説明することが多いです。
そのため、数字面の説明もしっかりされているかは、かならず確認するようにしましょう。
ポイント
説明会であれば、給与・残業時間のような質問をおこなってもまったく問題なしです!
見分け方④:業務内容の説明が曖昧
求人票の部分と少し被りますが、「業務内容の説明が曖昧」な企業も注意です。
業務内容は、入社するにあたって一番大切な項目となります。
実際に働く社員の1日のスケジュールは、確実に説明会で聞いておきたい内容です。
ただ、こういった質問を曖昧に回答する企業も多いので注意しましょう。
見分け方⑤:説明会の会場が豪華
上記のとおりでして、「説明会の会場が豪華」な場合も注意が必要です。
自社をできるだけ良く見せようとしている可能性があります。
なお、知名度のある企業は、基本的に説明会は自社でおこないます。
知名度のある企業は、勝手に学生が集まるので、わざわざお金をかけて高級ホテルなどでおこなう必要がないからです。
面接中にブラック企業か見分ける方法【5選】
では続けて、「面接中にブラック企業か見極める方法」を紹介します。
面接中は、なかなかブラック企業を見極めるところまで気が回らないと思いますが、最低、以下5つは確認するようにしましょう。
面接中にブラック企業を見分ける方法
見分け方①:圧迫面接ではないか
上記のとおりでして、「圧迫面接」をしてくる企業には注意が必要です。
ストレス耐性を確認するために実施する企業が多いですが…
入社後にストレスの多いブラック企業ですと公言しているようなものです。
ちなみに、以下記事で詳しく紹介していますが、圧迫面接をしてきた企業は入社しないことをおすすめします。
見分け方②:面接官がタメ口ではないか
続けて、「面接官がタメ口でないか」確認するようにしましょう。
面接官がタメ口=ブラック企業と決めつけるわけではありませんが…
コンプライアンスがしっかり整っている企業ほど、面接では敬語を使います。
そのため、一つの基準として、面接官がタメ口ではないかはチェックしておきましょう。
見分け方③:質問への回答が曖昧ではないか
上記のとおりでして、「質問への回答が曖昧ではないか」確認するのも大切です。
とくに、給与面や福利厚生・平均残業時間などの質問に対して曖昧な回答をする企業は多かったりします。
見分け方④:選考回数が少なくないか
上記のとおりでして、「選考回数が少なくないか」もかならずチェックしておきましょう。
選考回数が少ない=人員不足の可能性が高いです。
ポイント
基本、多くの企業は「書類選考」・「筆記試験・適性検査」・「面接2回から3回」です。
見分け方⑤:内定承諾を急かしてこないか
上記のとおりでして、「内定承諾を急かしてこないか」もチェックしておきましょう。
正直、内定承諾はどれだけ大手の企業でも急かしてはきます。
ただし、内々定後3日や1週間しか待ってくれない場合は注意しましょう。
内定承諾を急いでいる企業ほど、慢性的な人手不足となっていることが多いです。
意外と知らないブラック企業を見分ける方法【5選】
本章では、意外と知らないブラック企業を見分ける方法5つを紹介します。
意外と知られていないサイトも多いので、ぜひ参考にしてみてください。
意外と知らないブラック企業を見分ける方法
見分け方①:全国法人リストをチェック
上記のとおりでして、「全国法人リスト」というサイトはかなり使えます。
全国法人リストは、過去に労働局等から処分を受けたことのある企業をまとめたサイトです。
とくに登録も必要なく、簡単に調べることができます。
そのため、すぐに志望企業が何かしらの処分を受けていないか調べられるよう、「全国法人リスト」はブックマークしておきましょう。
全国法人リストはこちら「https://houjin.jp/blacks/corps」
見分け方②:安全衛生優良企業マークをチェック
上記のとおりでして、「安全衛生優良企業マーク」というサイトも使えます。
下図のように、政府認定のさまざまなマークを取得した企業を調べられます。
※出典元:安全衛生優良企業マーク推進機構
また、平均残業時間や有給取得率などの情報で絞ることもできます。
そのため、ホワイト企業・ブラック企業か判断するときにかなり使えるサイトです。
もちろん、登録等も必要ないので「全国法人リスト」と同じく、すぐに調べられるようにブックマークしておきましょう。
安全衛生優良企業マークはこちら「https://shem.or.jp/」
見分け方③:社員口コミサイトをチェック
上記のとおりでして、「社員口コミサイトから探す」のもおすすめです。
社員口コミサイトは、退職した社員の企業に対する本音が投稿されています。
こういった情報を参考にしながら、ブラック企業か判断するのも一つの手です。
ただし、社員口コミサイトをチェックするときは、以下2点には注意してください。
注意事項
- 悪評ばかりに目を向けない
- 良い口コミばかりの完璧な企業は存在しない
口コミサイトは、見始めると止まらなくなるのはもちろん、悪い部分ばかりに目が行きがちです…
ただ、あくまでも退職した社員の口コミが多いので、ネガティブな口コミが集まりやすいという特徴があります…
そのため、社員口コミサイトは客観的な視点でチェックするようにしましょう。
おすすめ口コミサイト
見分け方④:就職四季報をチェック
上記のとおりでして、「就職四季報」をチェックするのもおすすめです。
就職四季報は、東洋経済新報社が企業ごとの「平均年収」や「残業時間」・「離職率」などの情報をまとめた1冊!
就職四季報を1冊持っておけば、公式サイトには載っていない情報も手に入ります。
もちろん、就職四季報で「労働条件の良い穴場のホワイト企業」を見つけることも可能です。
見分け方⑤:時給1,500円以下ではないか
上記のとおりでして、「時給1,500円以下」なのかを基準にブラック企業か判断するのも一つの手です。
例えば、以下の企業だと給与水準だけで見ればどちらが魅力的でしょうか?
具体例
- 給与40万円(1日の所定労働時間8時間・みなし残業50時間・月22日出勤)
- 給与30万円(1日の所定労働時間7時間・残業10時間・月22日出勤)
1の方が給与だけ見ると魅力的ですが、時給は「1,769円(40万円÷226時間労働/月)」!
2の時給は「1,829円(30万円÷164時間労働/月)」となります。
このように、給与水準だけで企業を判断するのではなく、時給思考こそ超優良の中小企業を判断するうえで一番大切です。
ブラック企業に騙されないための対策【3選】
ここまで、ブラック企業か判断する方法を合計20個紹介しました。
本章では、その延長線上でやっておきたいブラック企業に騙されないための対策3つを紹介します。
ブラック企業に騙されないための方法
対策①:企業研究のやり方を学んでおく
上記のとおりでして、まずは「企業研究のやり方」を学んでおきましょう。
企業研究のやり方をわかっているか否かでブラック企業に騙されない確率が大きく上がります。
ちなみに、企業研究のやり方は大きく分けると10つあります。
この辺りの詳しい詳細は、以下記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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対策②:ホワイト企業総合研究所をチェックする
上記のとおりでして、「ホワイト企業研究所」というサイトをチェックするのもおすすめです。
下図のように、ホワイト企業総合研究所が「ホワイト企業ランキング」を公表しています。
※出典元:ホワイト企業総合研究所
もちろん、ホワイト企業総合研究所の利用も無料です。
登録も必要ないので、すぐに調べられるように「ホワイト企業総合研究所」もブックマークだけしておきましょう。
ホワイト企業総合研究所はこちら「https://avalon-consulting.jp/white-souken/」
対策③:長期インターンシップに参加する
最後に紹介するのは、「長期インターンシップへの参加」です。
ここまで、色々とブラック企業の判断方法を紹介しましたが、長期インターンシップに参加すればすべて解決します。
やはり、現場社員と同じように働くのが、企業理解には一番効果的です。
もちろん、すべての企業の長期インターンシップに参加するのは難しいと思います。
ただ、第一志望の企業については、できるだけ長期インターンシップに申し込むようにしましょう!
ブラック企業の見分け方に関するよくある質問【3選】
では最後に、ブラック企業の見分け方に関するよくある質問3つを紹介します。
ぜひ、気になる質問があればチェックしてみてください。
よくある質問【3選】
よくある質問①:ブラック企業あるあるってありますか?
F氏(22歳)
ブラック企業あるあるみたいなのってありますか?
リアルな体験談も交えていくつか知っておきたいです!
結論、ブラック企業あるあるはたくさんあります!
例えば、内定辞退をカフェで伝えたらコーヒーをかけられたこともあります。
後から調べると、その企業は、労働局からしっかり行政処分を受けたことがある企業でした。
こんな感じでして、ブラック企業あるあるは意外と多いです。
ちなみに、ブラック企業あるあるは、以下記事にまとめているので興味のある方はチェックしてみてください。
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よくある質問②:ブラック企業は中小企業が多いですか?
N氏(21歳)
やっぱりブラック企業は中小企業に多いのでしょうか?
大手企業でブラック企業ってあまり聞かなかったので質問しました。
結論、ブラック企業は中小企業に多いです!
ただし、ホワイト企業も中小企業に多かったりします。
というのも、総務省の調査によると、日本全国の企業は368万社以上!
そのうち9割以上が中小企業であり、お宝求人が中小企業には確実に眠っています。
そのため、誰も知らないような穴場のホワイト企業を探すうえで「中小企業」を視野に入れるのは必須です。
なお、超優良の中小企業の探し方は、以下記事にまとめているので参考にしてみてください。
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よくある質問③:ブラック企業の多い業界は?
M氏(21歳)
やっぱりブラック企業の多い業界は飲食とかなんでしょうか?
できればブラック企業の多い業界は避けたいと思っています…
結論、以下5つはブラック企業が多い業界とウワサされています。
ブラック企業の多い業界
- 飲食業界
- IT業界
- 不動産業界(営業職)
- サービス業界
- 小売業界
この辺りは、慢性的な一手不足に悩まされている業界だったりします。
もちろん、上記5業界の中にもホワイト企業は存在します。
基本、業界で考えるよりも、「企業ベース」でブラック企業かホワイト企業を判断するのがおすすめです。
【まとめ】ブラック企業の見分け方20選
今回は、ブラック企業の見分け方を各パートに分けて紹介しました。
20個まとめてみましたが、意外と知らない方法もあったのではないでしょうか?
ブラック企業を見分ける方法
今回紹介したとおり、ブラック企業を見分けるとなると、さまざまな方法があります。
ただ、多くの就活生は、入社後にブラック企業だと気づいてしまうことが多いです。
もちろん、実際に入社しないとわからない部分もありますが…
今回の内容を実践・意識すれば、高確率でブラック企業に騙されることはなくなります。
そのため、いつでも読み返せるように本記事をブックマークしておいてください。
気になる企業があれば、本記事に立ち返ってブラック企業ではないか判断するようにしましょう。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。